宿の手前で遊歩道をはずれ、入江に降りてみました。入江は崖に囲まれひっそりとした佇まいで、鏡のようになめらかな海面は薄緑色に透き通っていました。海に向かって右手の崖下の波打ち際に道が続いており、そちらへ進んでいくと漁船が数隻陸揚げされた浜があり、崖下の岩壁には水軍の根城のような風情で、漁師が番屋がわりに使っている海蝕洞が二つ並んでいました。すると何やら急に、この辺りで取れる地魚と今夜の酒への期待が高まり、陽が沈みかけたこともあって、もう景色は十分だとばかりに早足で宿に帰りました。

最後になりましたが、今回の旅のお世話をして下さった千葉の先生方、おかげさまで楽しい旅をさせていただきました。誠にありがとうございました。